親はあっても子は育つ
2017/01/28

1月19日は息子の誕生日だった。
小さい頃は手作りのケーキを焼いてプレゼントを用意して家族全員でパーティーをしたものさ。
でも彼も長じて自分の世界も出来ている。
彼女だっているじゃないか。
いつまでも母の仕切った誕生日を過ごしていてはダメだ。
という思いで母はなるべく何にもしない。
したいけど、しない。
「あの日も寒かったっけ」とか思い出を肴にBOSSとお酒でも飲むのさ。
親業も最近は開店休業だ。
誕生日から3日ほど過ぎた夜。
彼女とデートを楽しんでいる息子から電話が鳴る。
「はいはい どうしたの?」
「○○(彼女の名前)がちょっとだけ家にお邪魔したいって言ってるけどいいかな?」
「いいわよ!」
「もう遅いから玄関先で失礼するって言ってる」
(なんだぁーー?意味深な訪問じゃないのぉ)
「遠慮しなくていいわよ。お茶でもしましょ」
息子と彼女到着。
挨拶もそこそこだ!
○○ちゃんはお茶を入れてるキッチンのアタシの傍にやって来た!
(キッチンの隅っこ、何事だぁ!!)
ひそひそ話が始まる。
「あの、△△(息子の名前)は何も知らないんだけれどこのケーキを出していいですか?」
聞けば、誕生日の当日はお互いに忙しくて会えなかった・・だけど・・お祝いしたくて・・ケーキを焼いて・・ずーーと車の隅においていた・・らしい。
どこかでろうそくに火をともしてhappy birthdayのサプライズをしたい!!
「△△は知ってるの?」とアタシ。
「いいえ、気が付いてない。知らないと思います。」
このお祝いをしてあげたいという一途な思いでわが家まで到着してしまった。
去年の夏に一度だけ会ったことのあるお父さんとお母さんの所でろうそくに火を付けましょ。
みんなでお祝いがしたいわ。
要約するとこんな事をキッチンの隅で説明してくれた○○。
「まあー!!なんて良い人なの!!」
思わずハグしてしまう、アタシ。
胸の中が、動いた。
○○ちゃんの心根が嬉しくて、胸の中が、動いた。
焼いたケーキはパウンドケーキで移動するにはもってこい!!
ろうそくに火を入れて
♪HAPPY BIRTHDAY △△ ♪
みんなで唄ってお祝いだ!
親はなくても子は育つ。
いやいや、野坂昭如氏は「親はあっても子は育つ」と明言をおっしゃったが、ホントにその通り。
アタシの愚息だけれどアタシと同じくらい、いやいやそれ以上かもしれない気持ちで思ってくれるヒトがいる。
動いたなぁ、こころ・・・
良い夜を過ごした。